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Internet Infrastructure Review(IIR)Vol.27
2015年5月27日
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目次

2.4 おわりに

昨年、2014年10月に、LAP(London Action Plan(※9))の10回目となる会合、LAP 10 Tokyoが、東京の京王プラザホテルで開催されました。LAPは、迷惑メール対策に関わる各国の行政機関が集まる組織で、現在27ヵ国が参加しています。日本からは、総務省と消費者庁がメンバとして参加しています。私が参加しているM3AAWGとも関連が深く、これまでにも時々共同会合を開催してきたこともあり、ここ数年はメンバである総務省と一緒にLAPの単独会合にも参加してきました。これまでLAPの会合は、欧州と北米だけで開催されてきましたが、昨年10回目の会合では、初めてアジア地域である日本での開催となりました。そうした節目の会合を盛り上げるために、私が参加している迷惑メール対策推進協議会でも、LAP 10 Tokyo会合の準備組織としての委員会を結成し、併設した展示会場にパネル出展したり、インターネット協会の迷惑メール対策カンファレンスを同じ会場で開催して、一般の方にも足を運んでもらえるよう工夫をしました。私も、LAPの会議中にこれまでの日本の迷惑メール対策活動について、協議会を代表して発表させていただきました。関係者の様々な努力もあり、LAP 10Tokyo会合は成功裏に終わり、参加者からも良い会合だったと評価していただきました。

更に、2004年に設立されたM3AAWGも、昨年は10年の節目の年でした。2014年10月に開催された32nd GeneralMeetingは、私も参加した最初のFounding Meetingが開催された地、米国ボストンで開催されました。10周年記念会合として、オープニングでは当時のアジェンダが紹介されたり、私を含むこれまで最多の参加回数を誇る3名がスピーチを行いました。

10年前、こうした行政機関や民間組織が集まった頃は、迷惑メール対策活動が10年も続くとは思ってもいませんでした。日本でJEAG(※10)を立ち上げたのが2005年で、その前身となる組織を含めると10年経過したわけですが、これも発足当時は長く活動するつもりはありませんでした。迷惑メールに関わる問題が、ここまで長引くとは思わなかったのです。そのため、JEAGもきちんとした組織とはせずに、すべて関係者のボランティアとして活動してきたわけです。さすがにそうした組織形態を長く続けることはできずに、半ば自然消滅的に終息していったわけですが、活動の意義やそうした組織の重要性は10年経過した今も変わっていないようです。これは、電子メールというシステムが、一部の人だけが使う補助的なツールから、社会基盤の1つとして、より重要性を増してきたことが理由かもしれません。

本来、こうした迷惑メール対策活動が必要なくなる状況が望ましいと思っていますが、現実にはなかなか難しいかもしれません。せめて、もう少し安心してメールが使える環境に進化させていければと考えております。

  1. (※9)London Action Plan(http://londonactionplan.orgblank)。
  2. (※10)JEAG:Japan Email Anti-Abuse Group(http://jeag.jpblank)。

木村 真理

執筆者プロフィール

櫻庭 秀次(さくらば しゅうじ)

IIJ プロダクト本部 アプリケーション開発部 サービス開発2課 シニアエンジニア。コミュニケーションシステムに関する研究開発に従事。特に快適なメッセージング環境実現のため、社外関連組織と協調した各種活動を行う。M3AAWGの設立時からのメンバー。迷惑メール対策推進協議会 座長代理、幹事会 構成員、送信ドメイン認証技術WG 主査。一般財団法人インターネット協会 迷惑メール対策委員。

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