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メガネの田中ホールディングス株式会社 様 メガネの田中ホールディングス株式会社 様

IPv6 IPoE接続による高速なネットワークを実現
モバイル回線活用でコストを抑えつつBCP対策を強化

導入前の課題

既存ネットワークの更新を機にWANを抜本的に見直し

メガネの田中ホールディングス様のビジネスの概要を教えてください。

メガネの田中ホールディングス 中嶋隆之氏

メガネの田中ホールディングスは、メガネを提供する「メガネの田中チェーン」と補聴器を提供する「聞こえの田中」を中心に、専門店業態にこだわったビジネスを展開しています。広島発祥の会社で、西日本を中心に現在106店舗の店舗網があります。さらにグループ内で小売から製造へ垂直拡大することで、より深いレベルで消費者満足を実現するため、レンズメーカー、フレームメーカーも買収しました。レンズとフレームの双方を内製して高品質な製品をリーズナブルに提供できるのが、当グループの特徴です。

中嶋隆之氏
メガネの田中ホールディングス株式会社
IT ディレクター
中嶋 隆之 氏

従来の社内ネットワークの状況はどのようなものでしたか。

中嶋氏

データセンターに集約する構成で、各拠点にはルータを配置し、通信事業者のWAN回線で社内外を接続していました。8年ほど利用してきた既存のネットワークの機器が、EOL(End of Life)を迎える時期になりました。既存の通信事業者による機器更新の見積もりはたいへん高額なもので、現状を維持するためだけにそのコストをかけることに疑問がありました。全社的にコスト構造の変革に取り組んでいますので、従来の通信事業者の枠組みにとらわれないネットワーク構成でコスト最適化を図ることを検討し始めました。

更新の必要性に加えて、性能やネットワーク構成そのものにも課題はあったのでしょうか。

メガネの田中ホールディングス 柳元啓太氏

週明けの午前中には輻輳が起こり、ネットワーク遅延から業務に支障が出るような状況も生じていました。従来のWAN回線は、ベストエフォートとはいえ逼迫の状況が確認できない問題もありました。拠点からデータセンターの間が詰まっていることしか分からなかったのです。

柳元啓太氏
メガネの田中ホールディングス株式会社
IT マネージャー
柳元 啓太 氏

中嶋氏

社内ネットワーク見直しの理由のもう1つは、ホールディングス傘下の企業が増えたことです。既存ネットワークは、レンズメーカーとフレームメーカーに届いていなかったため、統一したグループ内のネットワークを構築する必要性もありました。また、長年利用してきたネットワーク構成だけに、性能やセキュリティ面で総点検が必要だとも感じていました。

導入の決め手

将来構成を見据えIIJ Omnibusサービスの導入を決定

ネットワーク構成の検討に当たって、どのようなアプローチを取りましたか。

中嶋氏

2023年4月ごろから検討を始めました。既存の通信事業者一択という思考停止状況から脱却するために複数の事業者に提案を求めました。最終的には、既存通信事業者やIIJを含む3社から23年夏までに提案を受けました。

提案を求めた要件はどのようなものでしたか。

柳元氏

EOLを控えていたため、24年度内の運用開始が必要でした。また方向性としては、資産を持つ時代ではなくなっていることから機器の購入を避けたいこと、将来的にはデータセンターを廃止したいことがありました。既存通信事業者は、コストが高い上に、実際の処理性能などへの説明が不足していた印象でした。コスト面では新規に提案を求めた通信事業者が最も安価でしたが、こちらは音声回線やスマートデバイスなども含めて更新することでコスト削減ができるという提案でした。変える必要のないところまで手を入れてオペレーションに無理が出るようなことは避けたいと考えました。
IIJからの提案は、SD-WANサービスの「IIJ Omnibusサービス」を利用するものでした。将来的に資産を持たないネットワークとするため、移行がしやすいことは魅力的でした。費用は中間的でしたが、集約型ネットワークからの脱却という目的に沿った提案で、弊社の実情に寄り添ったものでした。データセンターや拠点へも足を運んで状況を確認した上で、状況に適した提案があったのです。例えば、従来はデータセンターからインターネット向けの回線を4本用意していたのですが、トラフィックに対して過剰な投資であることをIIJから指摘されました。

中嶋氏

従来のネットワークは、会社の規模として過剰投資状態でありながら性能的には輻輳が起こるような部分もありました。技術の進歩によって通信効率は上がっています。IIJ OmnibusサービスはIPv6の通信により遅延が減少することが想定されましたし、IIJ Omnibusサービスの東日本リージョンと西日本リージョンでの冗長構成やバックアップ回線としてのモバイル網も使えるようになったため、BCP機能も上がりました。もちろん、レンズメーカーやフレームメーカーも含めて、統一したネットワークで利用できることも不可欠な要素のため、その上でコストダウンが可能な提案に納得し採用しました。

メガネの田中ホールディングス株式会社様の利用イメージ

導入後の効果

遅延のないネットワークを実現し、データセンター撤廃も視野に

導入作業はスムーズに進みましたか。

メガネの田中ホールディングス 栂野 利佳氏

拠点の切り替えなどでは助言をいただきながらトラブルなく進みました。多くの場所に拠点がある中で、場所によっては煩雑な入館手続きなどもありましたが、IIJはスムーズに対応してくれたと感じています。実際には9カ月ほどで実装が終わり、EOLに間に合うように運用を始められました。

栂野利佳氏
メガネの田中ホールディングス株式会社
IT シニアスタッフ
栂野 利佳 氏

導入後の効果はどのように感じていますか。

柳元氏

IIJ OmnibusサービスからIIJプライベートバックボーンを経由して、インターネットやクラウドサービスに出る形になりました。適切な設計と、IPv6によるIIJ Omnibusサービスのネットワークにより、これまで輻輳で大きな遅延があった週明けも問題なく通信できるようになりました。
また、これまでは店舗などの拠点でパソコンがネットワークにつながらなくなると、通信事業者に問い合わせて、現地に赴いて切り分けをするという状況がありました。IIJ Omnibusサービスならばリモートで状況を監視できますし、遠隔でルータをリセットすることもでき、仮想化ネットワークのメリットを感じています。

中嶋氏

更新について現場から声が上がってこないこと、つまりは何事もなくネットワークが動いていることが最も重要なことだと感じています。

IT関連での今後の計画を教えてください。

中嶋氏

2025年度中には、既存のデータセンターを廃止する方向で作業を進めています。すでに、ネットワーク機能はIIJのクラウドサービスに移行していて、いくつか残っているオンプレミスの機器を大阪本社に移設することで、データセンターの廃止が実現できます。それだけでも大きなコスト削減につながります。
これまでIT投資は、ビジネスに直接関係ないところが中心でした。しかし数で勝負するのではない専門店業態では、お客様の満足度を高めることが必要です。プロフェッショナルなスキルのある人材を全店舗に配置できないなら、AIカメラを使ったリモート接客などにより、どの店舗でも満足していただけるような対応が求められます。そうしたとき、オンプレミスの設備では対応の柔軟性に欠けますから、インフラはできるだけクラウド化しておきたいと考えています。今回のネットワーク仮想化の取り組みは、お客様価値を提供できるところにIT投資をするための第一歩です。今後はさらに価値を高められるIT環境を実現していきたいと考えています。

中嶋氏、栂野氏、柳元氏

導入したサービス・ソリューション

多店舗拠点ネットワークのお悩みを解決!
課題あるあると解決方法をご紹介

お客様プロフィール

メガネの田中ホールディングス株式会社
本社:広島県広島市中区本通2-10 5階
設立:1913年3月25日(メガネの田中チェーン株式会社)
資本金:5,000万円(メガネの田中チェーン株式会社)
従業員:663人(メガネの田中グループ全社合計/2025年3月末現在)
メガネの田中グループの本部機能として経営戦略立案及び統括業務を手掛ける。グループには、眼鏡・補聴器・サングラス・コンタクトレンズ・その他関連商品の販売・サービスを提供する「メガネの田中チェーン」、聞こえのケア、補聴器、その他関連商品に関わる販売・サービスを提供する「聞こえの田中」がある。西日本を中心にグループ全体で106店舗を展開する。レンズ製造の「日本レンズ工業」、メガネフレーム製造の「佐々木セルロイド工業所」をグループ内に擁する。

メガネの田中ホールディングス株式会社

※ 本記事は2025年4月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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