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2024年4月1日
株式会社インターネットイニシアティブ
代表取締役 会長執行役員 鈴木 幸一
入社おめでとうございます。
90年代まで、IIJでは入社式にネクタイをしてきた人はひとりしかいませんでしたが、今はスーツを来てくる真面目な方が多くなりました。私も年1回の儀式ということでストライプのネクタイをしてきました。
長い間ITの世界におりますが、この世界の大体の部分は「いい加減」な格好をしてきたような人たちが作ってきました。インターネットというのは非常に大きな技術革新です。従来通りではなく、前の人がやってきたことを全て変えるような技術を作り、それによって社会や経済を変えていくのが技術革新になります。
大きな技術革新こそが新しい産業をつくりますが、そういう産業を作ってきた人はどこかしら変わっています。
従来と同じことをやらない人、なかなか普通の社会では認められにくいような人が革新を担ってきたのです。
IIJを作った頃は、そういう「いい加減」な人が集まっていたのですが、ここまで会社が大きくなると、そんな「いい加減」な人だけじゃ会社がもたないということで、みなさんのような真面目な方々に入っていただくようになりました。ただ、真面目なだけでは、新しい産業を作っていくにはちょっと力が弱いのではないかと心配になります。
IIJはこの世界だと非常に古い会社です。世界をリードするGAFAのような会社はみなIIJより遅くできた新しい会社です。エヌビディアも時価総額は300兆円を超えています。日本にはそういう規模の会社はひとつもありません。なぜそうなったかというと、日本は製造業・ものづくりで世界を席巻してきました。ものづくりは「いい加減」ではできません。きちっとしたものづくりをするにはきちっとした真面目な性格の人間でなくてはできません。一方、ITはどうかというと、GAFAの経営者で私がよく知っている人もいますが、かなり「いい加減」な人間なんです。でも世界をリードできるような企業になっています。
IIJはアメリカで株式公開しました。日本には類似企業がなかった時代から、ITをリードしてきたのです。ただ日本国内だけでリードしていたから世界に遅れてしまいました。日本のIT化は非常に遅れています。製造業でナンバーワンだったがゆえに、なかなか転換できなかった。変わった人間がやっているようなITのインダストリーに移れなかったのです。それでもIIJは日本のITをリードしてきたのですから、それなりのスケール・影響力を世界に示していきたいと思っています。
技術革新で何かが変わるということは、あらゆるルール、気質、カルチャーが変わっていくということです。
みなさんもIIJに入ったからには、自由に自分の個性を活かしながら働いていただきたい。この先20~30年はまだまだ世界を変え続けるだろうという業界です。そういう分野の企業に入ったのですから、ぜひ新しいカルチャーを作っていただきたいと思っています。黒いスーツでばかりではなく、自由に明るい服を着るほうが楽しいですよね。少しばかりはずれるような自由な精神をもって頑張ってほしいと思っています。
何よりIIJは自由です。これから続く大きな変革のなかで、IIJがトップを維持できるように頑張っていただきたいと思います。
以上
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