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グローバル・トレンド ニューヨークの渋滞緩和への施策

IIJ.news Vol.185 December 2024

執筆者プロフィール

IIJ America Inc. Sales & Marketing Senior Sales Manager

北野 恵三

筆者が2021年4月、コロナ禍に際してニューヨークのワクチン事情の記事を寄稿してから3年半が経ちました。すっかり街の雰囲気は様変わりし、閑散として出歩くことも躊躇するような雰囲気だったマンハッタンには今では人が溢れ、観光スポットには長蛇の列ができ、SNSで話題のレストランは予約困難で、車のクラクションがいつも騒がしく鳴り響いています。ニューヨークシティを訪れる2024年の観光客数は6千900万人を超える予想で、筆者がニューヨークに赴任してきた2020年の年間2千230万人と比較すると、かなり人が戻ってきました。

そんなふうにどこも混雑しているニューヨークですが、特にマンハッタンは慢性的な交通渋滞に悩まされています。そして最近、道路交通に関する新しい施策が注目されています。そもそもYellow CabやUberといったサービスを利用して移動するのは、時間短縮が主たる目的のはずですが、マンハッタンでは交通渋滞が本当にひどく、平日の日中などは、むしろ歩いたほうが速いのではないかと感じるほど、車での移動に時間を要することがあります。

こうした状況の解決策として、マンハッタン中心部(60 Street以南、地図参照)を通行する全ての車に対し混雑料9ドル(時間帯や車種に応じて変動)を徴収するプログラムが先日発表されました。もともと隣接するニュージャージー州においては、マンハッタンに車で入る時点で通行料(15ドル前後)が徴収されていたので、この施策により、さらに金額が増えて合計でおおよそ24ドル(日本円で3千600円程度)が徴収されることになります。それにともない、Yellow Cab、Uberといったサービスや、FedExなどの物流サービスも値上げされるのではないかと懸念されています。

今回の施策により、はたして交通渋滞が緩和されるのか、ニューヨーク州内外の理解は得られるのか、(すでに一度、無期限延期を発表した経緯もあり)今度こそ施行できるのか……等々、いろいろな点で注目を集めています。

混雑緩和ゾーン
Congestion Relief Zone:https://congestionreliefzone.mta.info/about/)。
IIJ アメリカのNYオフィスは59 Streetに所在。


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