お客さまの声を聞く取り組み お客さまの声がサービスを育てる

去る7月上旬、KDDIが提供するモバイルサービスで大規模な通信障害が発生したことは記憶にも新しいでしょう。IIJのMVNO事業にもKDDIの無線通信インフラを利用したサービスメニューがあります。ご利用いただいている皆さまには多大なご迷惑をおかけし、この場を借りて改めてお詫び申し上げます。

今回のKDDIの障害を通して、通信サービスが社会インフラとして担っている役割の大きさを再認識しました。スマートフォンで通信できないということは、チャット・メール・電話などによる"人と人とのコミュニケーション"が絶たれるだけでなく、さまざまな社会活動に影響がおよびます。例えば、電子マネーやQRコードによる決済、公共交通機関の運賃支払い、e–チケットを用いたイベントへの入場、地図アプリによる道案内……等々、日頃当たり前のように使っている多数のアプリケーションやサービスに支障をきたし、利用者は大変な不便を強いられます。

モバイルネットワークは、携帯電話やスマートフォン以外にも、さまざまなところで活用されています。今回のKDDIの障害においても、子どもやお年寄り向けの見守りサービス、宅配業者や貨物列車など物流管理や利用者への配送状況の通知、さらには一部金融機関のATMにも影響があったと報じられました。

社会インフラである通信サービスを担っているのは、モバイルネットワークに限った話ではなく、インターネットサービス全般においても同様です。IIJ会長の鈴木幸一は創業当時から「全てのモノがインターネットにつながり、インターネットの上に構築される時代がくる」と予見していました。その世界が今まさに現実のものになっているのです。

IIJは通信事業者として、インターネットサービスのパイオニアとして、直接サービスを提供しているお客さまに対してはもちろんのこと、我々のお客さまの先にいらっしゃる方々の社会生活の安定と向上に寄与することが使命であると考えています。

我々のお客さま、さらにその先にいらっしゃる皆さまに寄与するという点において、極力障害を発生させないことは大切ですが、それと同時に、我々のインターネットサービスをいかにして有効活用していただくか、お客さまにとって利用しやすいものにするかも、同様に重要なテーマです。我々がこれらを追求することで、お客さまの事業の価値あるいは社会生活が向上し、結果としてその先にいらっしゃる方々にも価値の向上を実感していただければと考えています。

IIJが提供するサービスには複数の機能を有するものがあり、機能追加を継続的に行なっているサービスも多数あります。これらをお客さまに十二分に活用していただくために、マニュアルやFAQの整備、情報発信、直接お問い合わせくださったお客さまに迅速かつ適切な回答を出すことなど、日々、サービス改善に向けて尽力しています。また、障害が発生した際は、いかに早く復旧させるかだけでなく、その状況をどれだけ早くお客さまにお伝えできるかも重要なことだと考えています。「復旧を優先していたので連絡が遅れました」では、お客さまがその先にいらっしゃる皆さまに状況を説明することさえできません。こうしたお客さま目線に立った改善テーマに関しては、お客さまの声を通して気付かされることが多々あります。

今回の特集では、お客さまから要望や課題をうかがい、それらをさまざまなサービスにつなげていくうえでの取り組みをご紹介しています。お客さまのユーザビリティを追求するには、ご意見やクレームは欠かすことができない有益な情報になります。これらはサービスの満足度の把握のためだけでなく、具体的な改善に活用していくことが重要であると考えています。日頃から顧客満足度を意識しながら業務に当たるのは当然ですが、実際の声をうかがうことによって得られる新たな発見や忘れがちな教訓は、よりいっそう貴重です。そしてお客さまにとっての価値は何なのか？その先にいらっしゃる方々の期待は？これらを継続的に把握し、その時々の対応のみならず、中長期的な満足度向上につなげていかなければならないと考えています。

今回の記事をご覧いただいた皆さまも、IIJのサービスの機能やサポート対応力などについて、ぜひ忌憚のないご意見をお寄せいただければと思います。また、IIJに対する期待や叱咤激励、さらにはお客さまの事業内容や事業にかける思いなどもお聞かせいただけましたら幸いです。

IIJでは、営業、サポート、各種アンケートなどを通じて、お客さまの声を聞く取り組みを積極的に行なっています。
お寄せいただいたご意見は、社内の関係部署で共有し、お客さまにご満足いただけるよう、
サービス開発やサービス改善に活かしています。